(106)RC造(鉄筋コンクリート造)のリフォーム・リノベーションの魅力と維持費、将来性

英国のRC造建物。外観は築100年なので古いですが、内装は日本人には想像もできない程、お洒落です。日本にも英国のようなリノベーション文化が早く根付くと、中古物件に対する見方が変わると思います。
英国のRC造建物。外観は築100年なので古いですが、内装は日本人には想像もできない程、お洒落です。日本にも英国のようなリノベーション文化が早く根付くと、中古物件に対する見方が変わると思います。

東京の新築マンション価格は上昇・高騰を続けておりサラリーマンの住宅購入は厳しい環境になりつつあります。
さらに厳しい都心ではマイホームを夢見たサラリーマンが新築マンション・中古マンションを躍起になって探していますがマイホームは新築・中古マンションだけではありません。

今、都心で一般の人が興味を示さない中古のRC造(鉄筋コンクリート造)の狭小ビルや戸建てを割安購入し、フルリフォーム・フルリノベーションすることで都心にオンリーワンでお洒落なRC造住宅を手に入れる事例(選択肢)が注目されています。

地下室(リノベーション後)
当家の地下室(リノベーション後)。標準価格の床材・巾木・壁紙・天井でも、窓の無い部屋がセンス次第では面白い部屋になります。全地下なので室温は年間を通じ13度~24度の幅に入っており昼夜の差もなく快適です。

私がリノベーション用に購入したのは地下室付き中古事務所ビルでした。
本文を読み進める前に、イメージを持って頂くため地下室のリノベーション結果(映像)を紹介させて頂きます。
まずは映像をご覧ください。

~これまで の あらすじ~
都心で4LDKを探したところ新築マンションは高過ぎて断念偶然みつけた地下室付4階建中古ビルをリノベーションして住むことを決断リフォーム会社7社へコンタクトの結果(見積比較表あり)、「東京ガスリモデリング」を発注先に決定。三井住友信託銀行と中古住宅ローン(リノベーション費用含む)を締結し中古ビルを購入しました。(82)よりリノベーション工事が開始され、1ヵ月と20日が経過したところです。 ブログ概要リノベーションブログのあらすじ

1.もう庶民は都内・都心でマンションを買えない? 「いえ。RCリフォームが狙い目です」

価値を上げて転売を重ねて財産をつくるのが流行っています。
英国の住宅。外観は年期が入っていますが、内装は建物にお金を掛けない分、徹底的にリフォームされています。こうやって自分で住んでリフォームして資産価値を上げて転売を重ねて財産をつくるのが流行っています。

本日は休日前なのでリノベーションブログから少し脱線し、まずは最近上昇・高騰を続けている中古マンション価格について「当リノベ物件との比較した視点」でお話します。

東京都内、特に都心の中古マンション価格はオリンピックの東京誘致が確定した2013年以降、急激に上昇を続けています。この流れはあと数年続くでしょう。当家は山手線内側の立地のため新聞の折り込み広告には都心物件のチラシが多く入ります。

先週末も当家近隣の築1年*80m2強「9,900万円」という中古マンションの売物件広告が入りました(*2015年築)。つまり築1年の80m2強のマンションの平米単価が125万円/m2 (坪412万円)!。

このブログ物件『築15年 地下室付き4階建て中古RC造ビル』を私が購入した平米単価は約50万円/m2より遥かに高い金額です。普段は不動産に興味のない妻も、幾ら何でも高過ぎるよね とコメントしていました。

「9,900万円築1年中古マンション」は駅から徒歩10分の距離にあります。駅近物件でないことを考慮すれば過熱感が強くなり過ぎていることは否めません。個人的な感覚ですが、オリンピック前の熱気がなければ7,500万円(100万円/m2)でも十分だと思います。

【当リノベ物件が上述9,000万円中古マンションより有利な条件】

  1. 本物件の方がマンションより駅に1分程近い
  2. 本物件 延べ床面積 170m2 > マンション80m2
  3. 本物件は戸建てなので共益費が無料
  4. 本物件はトラックも停められる大きさの駐車場が無料
  5. 土地は将来、少なくとも買値程度で売却可能(ほぼ正方形の角地、前面道路6m超、建ぺい率80%、容積率300%)

これだけの差があって、築1年の築浅中古マンションが、土地付きの建物よりも遥かに高い平米単価で売買されているのはかなり異常です。

以前、『(79)ランニングコストからみた「マンション」と「戸建て」の違い』において戸建とマンションのランニングコストの比較を述べました。下表が例として掲載させて頂きましたこのブログ物件(170m2)がマンションだった場合の想定維持管理費です。

マンションの維持管理費
マンションの維持管理費

「9,900万円中古マンション」の延べ床面積は80m2強なので、上表(当物件=170m2 がマンションだった場合の維持管理費)の約半分程度の維持管理費用が掛かると想定されます。つまり20年間で700万円、30年間では1,000万円程度 の維持管理費(手元に残らない費用)が発生すると考えるとその中古マンションの購入はもっと冷静になるべきなのは明らかです。

2.鉄筋コンクリート造(RC造)戸建てと狭小ビルが狙い目

中古ビル(地下1階、地上4階)
中古ビル(地下1階、地上4階)

新築・中古マンション価格が高騰しているのはその価格でも購入している人がいるからなのですが、普通のサラリーマンには購入は無理です。ではどうすれば良いのか?

私自身、実は家探しを始めた当初は「都心で戸建なんて絶対無理」という先入観がありました。しかし地下室に魅かれたのがきっかけで中古ビルに目を向けることが出来ました。
具体的なRC造住宅のイメージを持って頂きやすいよう、当家の外観映像を共有します。

幸い東京ガスリモデリングの素晴らしいご担当者2名とめぐり合い、楽しく中古RC造の建物を安く購入しフルリフォーム・リノベーションを初体験させて頂けた結果、快適な家を手に入れることが出来たのです。

つまり、中古物件を購入しフルリフォーム、フルリノベーションすることでオンリーワンのお洒落な戸建て住宅を都心でもサラリーマンでも手が届く価格で手に入れることが出来るのです。

仮に私に9,900万円の予算があれば、次のような物件が狙い目と考えます。

【都心の狙い目物件】

  1. 築20~30年のRC造(鉄筋コンクリート造)2階建てor3階建て戸建
  2. 築古の狭小RC造(鉄筋コンクリート造)ビル

【狙い目と考える理由】

  1. 建物オーナーはRC造建物の解体費用は高額であることを十分意識しており、解体無しでの購入希望者が現れた場合、更地渡し(解体)に要する費用を考慮し価格面での相談に応じる可能性が高いこと(価格交渉可能
  2. 20-30年前に都心にRC造の戸建て・ビル物件を新築で建築した人は、相応に資産家であり「木造にはない耐震性」を意識し、建物構造上、耐震性・資産性の高い物件である可能性が高いこと(耐震性に優れたRC造
  3. 大型物件は総額が大きくなるが、小規模なRC造物件の総額は小さくサラリーマンでも購入可能性があること(昨今のマンション価格より圧倒的に安い

中古物件は見た目が悪く住宅探しをしている人は避けるのが普通ですが、意外にも都心エリアにはRC造の2階建て・3階建て住宅や狭小ビルは、少なくとも私の家の周辺には幾らでも存在しています。

中古物件の場合、見た目は関係ありません。建物構造さえしっかりしていればフルフォーム or フルリノベーションで中身は全く違う優良物件に生まれ変わります

3.「一生に一度の買い物」という考えは時代遅れ

築1年の中古マンションの価格について述べましたが、昨今の築浅マンションの異常な価格上昇(高騰)の原因は、新築物件価格の高騰が原因だと考えています。そこで新築物件について述べさせて頂きます。

誰が考えた言葉なのか知りませんが、「住宅は一生に一度の買い物」と言われています。私はこのフレーズこそが日本人が「新築崇拝」している原因だと考えています。

「一生に1度買えるかどうかの住宅なので中古なんて論外。素晴らしい新築の家を購入して一生大切にして過ごす。」と皆さん、考えてしまうのだと思います。

しかし、初めて購入した住宅が中古ビルであり、同時にリノベーションをした私としては、新築物件に対しては斜に構えてしまいます。特にポエムのような新築物件の誇大広告は、マンションや戸建てディベロッパーが作り上げている強制的なイメージ作りであると冷めた目で見ております(それが広告ではありますが)。消費者に対し、新築時が一番価値が高いと思い込ませて、新築プレミアを支払わせているのですが、そのプレミアの幅が、普通のサラリーマンでは解決できない金額になっています。

ある本に書いてありました。
新築物件は購入出来るが、誰も新築には住めない。

一度でも人が住めば住宅は全て中古になります。「新築」というのは、上述の通り“一瞬”だけ話です。住み始めたら、住んでいる住宅は「中古住宅」なのです。「新築を購入した」という誇りを30年若しくは40年も抱き続けて、古い家に住み続けるというのは不幸だと思います(新築をご購入出来た方は、中古を購入した者(私)の遠吠えと思って軽く聞き流して下さい。スイマセン)。

「劇的改造ビフォーアフター」を皆さんもご覧なられたことがあると思います。番組に頻繁に出てくる「とんでもなく老朽化した家」で苦労して住まわれていたお爺さん、おばあさんが、真新しくなった住宅に入って感動している姿を見て、皆さんはこう思っていませんか?

『早くリフォームしておけば、快適な家で暮らせる余生はもっと永かったのに・・・』

ではなぜ、日本人は住みずらくなってしまった中古物件に、耐えながら住み続けるのでしょうか?
私なりの解釈ですが、初めて購入する住宅が新築の場合、新築に手を加えるのは心理的なハードルが高く、古くなってくると金銭面だけでなく思い出や愛着が出てきて、リフォームやリノベーションをしようという「動機」が小さくなってしまうと考えます。また、日本では建替えを繰り返してばかりいますので、リフォームやリノベーションという文化が日本に根付いていないことも原因だと思います。

4.中古住宅文化の英国

日本に住んでいると、「新築に住む」のが文化ですから違和感を感じません。
実は私、以前、英国に住んだことがあります。当時でも築80年 や築100年という家は普通にありました。実際、私が住んでいた家も築50年経過していました。日本にいると信じられないと思いますが、新築物件は不動産市場に殆ど流通しておらず、住宅を購入すると言えば中古住宅を考えるのが普通の国でした(統計的には新築比率は10%程度のようです)。

英国の住宅は見た目は「どんより」感が半端ない上、一軒屋(デタッチド・ハウス)もありますが、1棟に2軒が入るセミデタッチド・ハウスや1棟に5軒が連なるテラスハウス(長屋タイプ)の家が殆どでした。

テラス・ハウス(5軒長屋タイプ)
英国のテラス・ハウス(5軒長屋タイプ)

しかし、驚くなかれ、内覧するとどの家も内装は日本の新築物件が冗談に思えるほどの豪華さでした。内装の豪華さでは、日本の新築物件の「平均レベル」は英国の中古物件の「平均」と比較して完敗と断言出来ます。

5.英国の不動産サイト

実際に内装をみないと分からないと思いますので、当時、私が自分の家探しをした不動産屋のURLをご紹介します。

Foxtons ⇒ http://www.foxtons.co.uk/

RENT(賃貸)かBUY(購入)を選択して、Post Code(郵便番号)を指定して適当に探すことが出来ます。Post Codeの例をいくつか掲示しますので試されて下さい。リノベーションにご興味のある方であればこのブログを見るよりも内装の参考になります。

Post Code例:SE1 0AA (市内)、W2 1AH (市内)、TW7 6AA(郊外)

物件が幾つか出てきますので、適当に選んで、「Photo」で内装をご覧なられて下さい。日本の物件と違ってお洒落で豪華な個性的な内装です。英国ではこ のような内装レベルが普通です。リフォームとリノベーションを繰り返して資産価値を高めています。地震の有無など、地政学的な要因も無視は出来ませんが、 家に対する文化が大きく異なっています。「リノベる」の社長、山下氏が自著「明るいバカ」が最高のチームを創るの中で、ご自身がリノベーションに興味を持たれた理由を「海外で見たリノベーションされた住宅に感化された」と述べらていますが、上述FoxtonsのWebサイトをご覧頂ければ、その意味もご納得いただけると思います。

Foxtonsで紹介されている物件サンプル。
Foxtonsで紹介されている物件サンプル。左上の見た目の悪い家の内装はおしゃれです。

6.生き方が変わるリフォーム、リノベーション

ビルに住む行動力もある人生の早い段階(出来れば20代後半か30代前半)で、中古を買ってリノベーションすることを経験してしまえば、その後の物件に対する見方だけでなく、生き方も変わると私は思っています。

英国では、「中古住宅を購入して、住みながらDIYして徹底的に家の価値を高めて、高く売却。またおんぼろの中古住宅を購入してDIYして売却」というやり方で、自ら住みながら財産を増やしている人が結構いました。(そのような人は、仕事が終わると急いで家に帰って毎日、DIY*をされていました(笑)。)     *Do It Yourself

ここで一つのポイントが、リフォーム、リノベーションしても住宅そのものが長持ちしないと意味がないということです。英国は地震がない国ですから、築80年や築100年の石の家が多くあります。一方、日本ではある程度の耐震構造と湿気に耐えられる頑丈さが必要です。

なので私は「9,900万円」の予算があれば「築20~30年の中古RC造2階建てor 3階建て戸建」や「築古の狭小RC造ビル」を狙うと述べた次第です。石の文化の英国の住宅と同じで、RC造の建物はしっかりメンテされていれば50年でも60年でも住めます。

RC造物件を狙って、リフォーム、リノベーションに若いうちから取り組むと、「中古購入⇒DIY⇒価値向上⇒売却⇒中古購入」というやり方で資産を構築する生き方が出来ます。「新築を購入する」というのは、本当に憧れであり賢い選択なのでしょうか?

久しぶりに文章中心のブログとさせて頂きました。最後までご一読頂きありがとうございます。明日からリノベーション工事の内容について説明を再開させて頂きます。(明日に続きます。次ページ『(107)TOTOサザナ1620ワイド浴槽施工写真、2枚・3枚引違い戸、寸法図面、浴槽詳細図』へ)

中古事務所ビルを住宅にコンバージョン(リノベーション)キッチン編
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ブログ管理人プロフィール

リノベーションブログ著者からのご挨拶/狭小中古ビルを『2割』値引きで購入後、住宅にコンバージョン(リノベーション)して住んでいます

中古ビルをリノベーション
こんにちは、RC4taniです。 福岡県出身。 都内在住サラリーマンです(40代)。夫婦+子供3人。 100m2超の新築マンションは高過ぎて購入を断念。視野を広げ狭小中古事務所ビルを購入後、住宅にコンバージョン(リノベーション)して東京・山手線内側に170m2の戸建てマイホームを手に入れました。