中古ビルを購入後、リノベーションして住んでいるRC4taniです。
快適な住まいについて考えてみました。
以前、駐在していたイギリスは緯度が高く日差しが弱い国でした。日照が特に不足する秋から冬の対策として、1階を拡張してつくられていたキッチンには天窓(トップライト)が4枚もあり、3階に設置された屋根裏部屋にも天窓が2枚ありました。
結果、家の中の生活においては、日差しが恵まれた天窓のない日本よりいつもどんよりとしていたイギリスの方が快適だったと感じています。
この経験から、もし自分がもう一度リノベーション住宅に住むことが出来るのでれば、次は『キッチンに住む』というコンセプトの家を作ってみたいと強く思っています。
というわけで本日は『キッチンに住む』というコンセプトのメリットについての話です。
1.キッチンに住む
日本に住んでいると発想が日本の常識に縛られてきます、まぁ、当然ですが(笑)。ところが海外に目を向けてみると日本人の常識からは想像もできないような「何これ?」という間取りに遭遇することがよくあります。
私がイギリス駐在時に住んでいた家が、「何これ?」という間取りでした。
ずばりキッチンに住むというコンセプトがあった家でした。
どういうことかというと、家の中で一番日当たりの良い場所(南側・庭側)にキッチンをどーん と配置するのです。さらに天窓を4枚も設置します、そのためキッチンで昼間に照明をつけたことは1度もありません。電気を点けるのは夜だけ(笑)。
逆にダイニングやレセプションルーム(居間のようなもの)は日当たりが悪くなってしまっていました。
2.キッチンに住む生活
ロンドン在住時の家族構成は夫婦+4歳、2歳の4人家族。帰国時は夫婦+6歳、4歳、0歳の5人家族になっていました。つまり子育て真っ只中という状況です。
子育て世代が1日の時間の殆どを家で一番良い部屋であるキッチンで生活するとどうなるか。物がキッチンに溢れます(笑)。
イギリスに引っ越してきた当初、レセプションルームにあったTVを使っていましたが、しばらくして日当たりが良いキッチンに32型の液晶TVを購入しました。その結果、キッチンに家主が用意してくれていたソファーに座ってTVを見てくつろぐ生活が始まりました。ほぼ日本でいうところのリビングがキッチンの中にあるような状態です(笑)。
また次第に子供のおもちゃが親がいつも滞在しているキッチンに集まり出しました。結果、キッチンが子供部屋となりました。
話は変わりますが、当家のキッチンはアイランド型だったのですが、アイランド部分にあるのはガスコンロのみ。水回りはガスコンロから180度回れ右をしたところにあったのでアイランド部分に水が掛かることはありませんでした。そうすると本や食材などが常にアイランドの上に積まれた状態となります。
ということで雑多なキッチンになりました^^
そもそも子供は親がいるところにわざわざ移動してきて遊ぶ性質があります(と私は理解しています)。レセプションルームは子供仕様にしてあげて、楽しそうな雰囲気を出していたのですが、子供がキッチンで遊ぶことが多かったですね。
こうして、キッチンはリビングルームと子供部屋を兼ねることになりました。
3.キッチンに住む必須アイテムはソファ
キッチンに住むためには必須のアイテムがあります。それはソファーです。
なぜなら寛ぐためにはソファーは必須だから^^
子供達も親も、天窓の下にある家で一番日当たりが良いソファーに座っていることが圧倒的に多かったです。
4.友達と談笑するのもキッチン
妻は時々、駐在妻の方を家に招いてお茶をしていたようですが、おもてなしする場所もキッチンでした。なぜなら、キッチンであれば、お湯を沸かしたり、あれこれと準備したりしながら会話できるためです。
5.テレビも洗濯もキッチン!?
少し述べましたが、ソファーとテレビがあればそこは機能的には居間と同じになります(笑)。
家主も上の写真の位置にテレビを置いておられたのでアンテナ端子もありましたので、私も真似してキッチンの中にテレビを置きました。
妻は始めは反対していましたが、子供達もみな、このテレビでNHKの日本語放送を見るのが唯一の楽しみとなっていました。
さらに、なんとキッチンの中に洗濯機がありました(笑)。
文化的な背景があると思いますが、イギリスではキッチンにあるユニット一式として、食洗器と同列で洗濯機を並べています。
日本でもキッチンから脱衣所に直接行ける動線を用意されているマンションや新築住宅が最近目につきますが、あれをさらに進化させた間取りです。
日本人の感覚からすると「えーっ」という感じですが、生活してみると理にかなった生活動線となっていて、ある意味、日本の2歩先の間取りと言えるのではないでしょうか。
当家は狭小ビルをリノベーションした住宅です。現在、1階で洗濯して4階で洗濯物を干していますからイギリスの家は夢のような生活動線の家だったと今更ながらに思います。RC4tani(プロフィール)
6.洗濯物を干す場所もキッチン!
夏場は昼間に外に干しますが、天気が悪い日や冬は、基本的には夜寝る前にキッチンに干していました。家中にパネルヒーターでの暖房がありましたので、朝になっていれば乾いていました。
写真を撮影した日は、外はあいにくの雨。子供達はキッチンで傘をさして「おままごと」をして楽しそうです。
7.食事もキッチン
そうそう、大切なこと。当然ながら食事もキッチンで取ります。
アイランド型のカウンターは非常に良かったです。
妻も食事の準備をしながら、子供や私と談笑することが出来ました。
東京の当家はオープンカウンター式のキッチンにしましたが、イギリスのアイランド型のキッチンでの良い体験が多いに間取りに影響しています。
食事を準備する人だけが会話出来ないというのは良くないですね。
家族と会話しながら、食事の準備、後片付けが出来る間取りだと、みんながハッピーになれます。
8.おわりに
リノベーションは間取りを思い切って大胆なものへ変更することが出来ます。
思い切ってキッチンに住むというコンセプトでリノベーションを検討されてみるのも面白いかと思います。
いつもリノベーションブログにお付き合い頂きありがとうございます。
一生に一度の人生です。リノベーションで工夫して、満足感の高いお家に住みたいですね。
本日は『(207)キッチンに住む』というお話しでした。
(208)お庭をイギリス風にリノベーション!
(206)無垢材建具(天然木建具)のドア・フローリングって素晴らしい!
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リノベーションブログ著者からのご挨拶/狭小中古ビルを『2割』値引きで購入後、住宅にコンバージョン(リノベーション)して住んでいます