(184)事務所(居宅以外)を購入しリノベーションするときに注意したいお金の話

リノベーション後の間取り図
リノベーション後の間取り図

「中古事務所ビル」を購入しリノベーション後に住んでいるRC4taniです。

人生初のマイホームを「中古物件購入とリノベーション」でやり遂げた満足感はかなりのものがあります。

その達成感はリノベーションが完了して中古ビルに住めるようになったこともありますが、「苦しかった資金繰りをどうにか乗り切れた」という安堵からも感じているのも事実です。

それほど、リノベーション工事中と工事後に、想定外の資金支出が相次ぎました。
下世話な話ですが、居宅(通常の住宅)以外の物件を購入してリノベーションする際に、是非とも知っておいて頂きたい世の中の仕組みとお金の話をさせて頂きます。

はじめてブログにお越しの方へ

今回はいきなりお金の話で申し訳ありません。リノベーション前後の写真を掲載した『各階案内』を参照して頂ければリノベーションブログに興味を持って頂けると思います。 RC4tani

1.固定資産税の日割り負担

セットバック面積
セットバックした面積は敷地面積の「10分の1」にもなっています。

1)不動産取引における固定資産税等の精算(日割り)

中古物件の売買全般に言えることですが、不動産取引をする場合、慣例としてほぼ例外なく固定資産税等を精算(日割り)します(本当は1月1日に固定資産を保有している人が支払うだけなのですが・・・。少なくとも私の取引の場合は日割り精算となりました)。

例えば不動産売買日が3月末の場合、売主は1月~3月分までの固定資産税を負担すると考え、買主は4月~12月分までに相当する固定資産税額等を売主へ支払います。

不動産取引終盤で、不動産屋から「RC4taniさんの固定資産税額の負担は56万円です。売買契約日にご準備下さい」と突然、さらりと言われるのですから困ってしまいました。

2)都心は土地代が高いので固定資産税が高い

都心は土地代が高いので、当然、固定資産税も高くなります。
私が購入した物件、前オーナー様が支払われていた固定資産税額は62万円!
しかも土地売買日は1月13日だったので、物件購入時に私がほぼ60万円を前オーナー様にお支払いしたわけです。(62万円x352日÷365日≒60万円)

納税は国民の義務ですが、一括で50万円以上の税金を納めると重税感が半端ありません(涙)。

2.固定資産税を減らす方法をご存知ですか?

物件購入時に前オーナー様が納めていた固定資産税年額は62万円でした。
とてもそのような金額を毎年、私が払えるわけありませんので、その後、色々と調べて行動した結果、現在の固定資産税額は年額39万円に減りました。
その差額、なんと23万円(=62万円-39万円)です。

次項以降で何をしたかご説明します。

3.セットバック部分等で道路として使用されている私道分は固定資産税・都市計画税が非課税になる可能性があります(東京都23区の場合)

セットバック部分等で道路として使用されている私道分は固定資産税・都市計画税が非課税になる可能性があります。
セットバック部分等で道路として使用されている私道分は固定資産税・都市計画税が非課税になる可能性があります(東京都23区の場合)。

1)私有地(私道)の非課税申告制度

当家の敷地はセットバックしている土地があります。
まずはひょっとしてこの部分は税金の減免が受けられるのでは?と仮説を立ててみました。

こちらは、調べ始めてすぐに、世の中には「非課税の対象となる道路」という考えがあることが分かりました。
典型的なものは道路法でいう道路(いわゆる公道)なのですが、東京都23区の場合は、「通り抜け私道」であったり「共用私道(行き止まり私道、コの字型私道)」など幾つかのパターンにあてはまれば、対象となる私道分に課税される固定資産税(1.4%)・都市計画税(0.3%)が非課税となることが分かりました

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当家は『セットバック部分』に該当する私道を8m2ほど所有しています。
実はこの制度、建物の用途(事務所、居宅等)には関係のない話なのですが、前オーナー様は非課税申告を行っておられませんでした。

非課税申告していれば納めなくて良い税金を長年、納めていたことになります。
もったいない話です。東京都23区にお住まいの方で私道をお持ちの方は、非課税申告が適用出来るかもしれませんので確認されることを是非、お薦めします。

2)非課税申告の手続き

さて肝心の非課税申告の手続きは簡単です。
都税事務所に行って状況を説明して簡単な申請を行うだけです(不動産売買時に受領した地積測量図など一式持参した方が良いです)。
ただ、この申請は実際にリノベーションを終えて住み始めた後でしかできませんのでご注意下さい(つまり中古物件を購入して直ぐに用途変更は出来ないということです)

申請に問題がなければ、後日、都税事務所職員の方が申請のあった年末までに「利用上の制約を設けず不特定多数の方に利用されているもの」であることを現地確認をされます。
この際、家主・地主に対して特に何か会話されることはありません、あくまで現況確認だけです。(物件毎に状況は異なりますので、相談に行く前に必ず電話してその場で非課税申し込みが出来るよう、持参すべき必要書類を各自でご確認下さい)

道路に対する固定資産税・都市計画税の非課税について(東京都23区の場合)

<対象者>
道路の非課税の対象となる土地を所有している方

<申告に必要な書類>

  • 「固定資産税・都市計画税非課税申告書(公共の用に供する道路)」
  • 地積測量図又は、道路部分の面積及び道路位置を正確に確認できるもの

<適用年度>
年内に申告があり、都税事務所で利用状況を確認したものが、その翌年の4月に始まる年度の固定資産税・都市計画税から非課税を適用します。(例:2017年3月に申告した場合、2018年度の固定資産税・都市計画税から適用されます)。

【重要】家屋建築時に敷地面積として算入されている土地は該当しませんので、ご注意下さい

⇒詳しくは東京都のホームページ(PDF)をご参照下さい。

【当家の固定資産税・都市計画税の非課税額】
当家では敷地面積の10%をセットバックとして私道提供していますので、単純計算で固定資産税が10%分(居宅に対する課税金額に対しての10%なので約4万円)が非課税となりました。無視できない金額で助かっています。

4.住宅用地の特例措置。建物登記を「事務所」から「居宅」へ変更

さて、次は事務所の居宅リノベーションを検討されている方には大切な話です。

住宅用地は税負担を軽減する目的から、課税標準の特例措置というものがあることはご存知でしょうか?
住宅用地の場合、1戸につき200m2までの部分は固定資産税が1/6、都市計画税が1/3となります。

この特例措置は絶対に使った方が良いのですが、私が購入した中古ビルは「小規模非住宅地減免*」の適用しか受けれていませんでした(*簡単に言えば、東京都内で400m2未満の非住宅用地を持っている個人または小規模法人は200m2までの部分の固定資産税・都市計画税の2割が減免される制度です)。

住宅用地の場合は固定資産税が1/6、都市計画税が1/3になるのですから、是が非でも建物の用途を「事務所」から「居宅」に変更したいと考えました。

【住宅用地の特例措置】
区分
固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200m2までの部分 価格x1/6 価格x1/3
一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 価格x1/3 価格x2/3

私は物件購入前に粗々ですが、将来のキャッシュフロー(CF)を把握するため毎年の固定資産税額を試算していましたが、この特例措置は無条件で受けられると信じていました。

計算結果は、おおよそ間違っていなかったのですが、小規模住宅用という条件を適用するためには建物の用途変更が必要であることを知らなかった点が間違っていました(人が住めば建物は無条件で居宅になると思っていました)。
参考まで固定資産税を事前に計算した結果を貼りつけておきます。

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【当家の固定資産税・都市計画税の非課税額】
上の試算エクセルは私が東京都のホームページを参考に計算した固定資産税額です。
破線(点線)より左側が東京都のホームページに参考として掲載されている計算式で、破線(点線)より右側が、重要数値だけを参考に比率按分して試算した簡易計算数値です。物件購入後の各種税金額の計算は、しっかりやっておきたいものです。
新築物件であればホームメーカーやマンション販売会社が丁寧に教えてくれると思われますが、完全オーダーメードの中古物件の場合は、案件毎に条件が異なりますのでちょっと大変です。
しかし、最近は区市町村のホームページに丁寧に説明が掲載されていることも多いので、頑張って調べる価値はあると思います。 RC4tani(プロフィール

5.建物の用途変更申請の実務

それでは、事務所を居宅に用途変更申請する手順を説明します。

1)用途変更の費用・期間

用途変更は、現状次第では手間と期間が大きく変化するようです。
私の場合は、物件の築年数が築15年と比較的新しく、必要な書類が全て揃っていましたので、特別、面倒なことにはなりませんでした。
Googleで近所の土地調査家屋士を調べて、その方に建物の用途変更をお願いしました。

土地家屋調査士の先方は滅多にない依頼とのことではじめは「ビックリ」されていましたが、ごく近所の住民からの依頼ということもあったのでしょうか、親切・丁寧にご対応頂け、申請料込みで13万円、期間は約1.5ヵ月で用途変更完了となりました。

費用と期間のポイント、及び当家の状況を表にまとめておきます。

用途変更の費用と期間を予想するのに必要な項目 RC4tani対応
既存建物の図面・書類は揃っているか 図面、検査済証等、全書類がそろっていた
建物の現状はどうなっているか 土地家屋調査士の方に現地確認して頂いた
確認申請機関はどのような書類・図面を要求するか 自宅そばの土地家屋調査士だったので十分知識を有していた
どの程度の改修が必要となるか ブログでお伝えしている通り、フルリノベーションしており、キッチン・お風呂・トイレ・玄関など、誰がどうみても内装は住宅だったので問題とならなかった

2)用途変更の手順

【建物の用途変更の手順】

  1. 用途変更について調査を依頼する(私の場合は土地家屋調査士に依頼した)
  2. 土地家屋調査士に現状の建物・建物に関する図面・構造計算書・確認申請書・確認済証・検査済証などの書類を見てもらう。(揃えられる範囲でOK)
  3. 土地家屋調査士が確認申請機関に出向いて打ち合わせをする
  4. 土地家屋調査士に用途変更にかかる費用・期間を見積もりしてもらう

6.おわりに

このブログのテーマは「中古購入&リノベーションで叶えるオンリーワンの個性あるマイホーム」です。

素人が試行錯誤しながら、都内(都心)で170m2の住宅をリノベーションで手に入れたお話しに興味を持っていただけましたら、お手間ですが『(1)自己紹介/RC4tani/中古ビルを住宅へフルリノベーション』から訪問して頂けましたら幸いです。

本日は『(184)事務所(居宅以外)を購入しリノベーションするときに注意したいお金の話』と題し、お金の話をさせて頂きました。
資金・住宅ローン・税金の話題を一覧にまとめております。
資金・住宅ローン・税金の話題一覧

今後も引き続き宜しくお願いします。 (続く。次の記事『(185)梁や柱をうまく利用するリフォーム、リノベーション』へ)


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ブログ管理人プロフィール

ブログ著者からのご挨拶/中古ビルのリノベーションブログ(地下室付きRC造4階建て)

リノベーション
こんにちは、RC4taniです。 福岡県出身。 総合商社に勤める都内在住のサラリーマンです(40歳代前半)。 東京の高過ぎる地価と住宅事情に絶望していましたが、中古物件購入&リノベーションで念願のマイホームを手に入れました。家族5人暮らしです。 >>続きを読む