中古事務所ビルを購入後、住宅にコンバージョン(リノベーション)して住んでいるRC4tani(@rc4tani)です。リノベーション工事は36日目(5月6日)となりました。
本日は、二重天井へLEDスポットライトを取り付けるために、ライティングレール(ダクトレール)の新規取り付け工事(後付け)について、ダクトレール・照明の仕組みと施工方法、利用部材・金額、工事費用を説明します。
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目次
都心で4LDKを探したところ新築マンションは高過ぎて断念。偶然みつけた地下室付4階建中古ビルをリノベーションして住むことを決断。リフォーム会社7社へコンタクトの結果(見積比較表あり)、「東京ガスリモデリング」を発注先に決定。三井住友信託銀行と中古住宅ローン(リノベーション費用含む)を締結し中古ビルを購入しました。(82)よりリノベーション工事が開始され、1ヵ月と20日が経過したところです。 ブログ概要⇒リノベーションブログのあらすじ
1.ダクトレールとは
ダクトレールとは、一本のバー(レール)に好きな位置に照明を取り付けることが出来るものでライティングレールとも呼ばれています。仕組みは簡単、レールの上に電気が流れます。
最大の特徴は照明をレール上の任意の位置で増設・取り外しが簡単に出来ることです。お部屋の模様替えや店舗レイアウト(客席テーブルの位置)変更に柔軟に対応できます。
昔は居抜き工事が多い店舗などで使われていましたが、最近はマイホームでも私のように中古ビルをリノベーションして住む人などが、オシャレな部屋にするための必須アイテムとなった感がありますね。
最近では個人のDIY需要を取り込むため、「シーリングライト用のソケット」に取り付けるダクトレールが製品化されています。
リフォームやリノベーションで天井にダクトレールを埋め込み工事不要で、既存のシーリングライトを取り外して、スポットライトやペンダントライト照明を一列に複数追加して簡単にオシャレに決めることが出来ます(次項で説明します)。
2. 配線・電気工事不要!簡易取付ダクトレール!賃貸でもOK!
当家はリノベーションしましたので、工事会社の方が二重天井にライティングダクトレールを取り付けて下さいました。詳細は次項以降でお伝えしますが、まずはじめに、ブログでも問い合わせが多い賃貸物件でのダクトレールの利用可能性についてお伝えしたいと思います。
答えは、賃貸物件でも引掛けシーリングソケットを使えば『簡易取付ライティングダクトレール』を誰でも照明工事なしで簡単に楽しめることが出来ます。
HPなどで、上述写真のようにライティングダクトレールの両端に「引掛けネジ」のようなものがついたダクトレール照明の写真を見かけたことがあると思います。
実はこれ、『簡易取付ライティングダクトレール』と呼ばれる商品です。
『簡易取付ライティングダクトレール』は、ダクトレール全体を天井に取り付けているのではなく、「引掛けシーリングソケット」を使って取り付けてあります(つまりレールと天井に空間があるという意味です)。
そのため、レールに取り付けた照明の重みでダクトレールが上下に傾かないようにしている「つっかい棒」の役目が両端の「引掛けネジ」となります。
そうです。つまり、ほとんどの家庭・マンション・アパートで採用されている既存の『引掛けシーリングソケット』さえあれば、この『簡易取付型のライティングダクトレール』を買うだけでダクトレールを天井に取り付ける工事&電気配線工事不要で、女性でも簡単にオシャレなダクトレール照明が楽しめてしまうのです。
分譲賃貸やアパートにお住まいの方も、おしゃれな照明のあるダイニングで食事ができますね!
3.ダクトレールの仕組みと取り付け工事(直付け、埋め込み、吊り下げ)
さてここからは当家のように愚直に、ダクトレールを天井に取り付ける方法について説明させていただきます。
1)ダクトレールの直付け工事
ダクトレール(ライティングレール)にネジを利用して天井面に直接取り付けします。強度が弱い二重天井に取り付ける場合や石膏ボード天井(プラスターボード)に取り付ける際は、野縁(のぶち)やその他建築構造材へ確実に取り付けします。
ダクトレールはダクトレール付属のねじで取り付けます。一人作業をする場合は先にネジを二重天井など構造材に取り付けた後、「だるま穴」を通して取付けた後、スライドさせると簡単です。
こちらが当家4階に取り付けたダクトレールの仕上がり結果。大工さんがやりたかったのは埋め込み型の仕上がり。野縁を利用した直取り付けをした後に天井ボードを貼りつけると、このように綺麗な埋め込みダクトレール(ライティングレール)となります。
2)ダクトレールの埋め込み取り付け工事
さて次は本当に埋め込みによるダクトレールの取り付け工事です。
施工した大工さんは直付けで説明した大工さんと同じですが、今度の工事場所は2階LDKです。2階LDKはリノベーション工事会社(元請け)の設計士さんの勘違いで一部工事のやり直しとなったもの。
既に二重天井が貼られた後に急遽、ダクトレールを取り付けることになりました。
場所がLDKなので直付けダクトレールは見た目が悪いということで、二重天井のボードに埋込枠を入れるための切り込みを入れたのが下の写真です。
チラッと見えているのが電極を接続するための電線です(笑)。
ここまで出来るとあとはダクトレールを取り付けた埋込枠をはめた後、ダクトレールをフィードインキャップから電線を結線して、反対側エンドキャップを取り付けて完成となります。(フィードインキャップ:ダクトレール端から電源引き込み時に使用します)
3)ダクトレールの吊り下げ工事(パイプ吊具を利用)
「ダクトレールは天井に取り付けるだけ」と考えていたのですが、店舗などで天井が高い場合は、ダクトレールを吊り下げて照明を取り付けることがあります(大型電気店などで採用されています)。
施工は上の施工図の通りパイプ吊り具(中に電線が通ります)を天井に取り付け後、ジョインタハンガーを使ってダクトレールを吊り下げます。後は図の通りフィードインキャップをはめて電線を結線して出来上がりです。
4.ダクトレールの取り付け工事費用
では当家で発生したダクトレールの埋め込み工事費用内訳を掲載します。
種別 | 品番 | おおよその 金額 |
---|---|---|
天井野縁組み | 2,000円@m2 | |
天井ブラスターボード張り | 1,300円@m2 | |
LEDスポットライト(昼白色) | OS256411 | 5,000円 |
ライティングレール(ダクトレール) | LD0212T(オフホワイト2m) LD0214T (オフホワイト4m) |
4,000円 7,000円 |
ダクトレールフィードインキャップ (埋め込み用:埋込レール端から 電源引き込み時に使用) |
LD0261 | 400円 |
ライティングレール用 エンドキャップ埋込用 | LD0262T | 400円 |
上で説明した通り仕上がりを綺麗に見せるには、二重天井の下地を貼る前にライティングレール(ダクトレール)を野縁に沿って先に取り付ける手間が発生します(ほんの少しですが・・・)。
勿論、一般の家庭に後付けする製品(詳細後述)もありますが、二重天井の下地を一旦取り払って行うリノベーションとしては、当家のLDKのように天井の仕上がりを完全なフラットにしたいところです。
しかし、新築マンションの価格が高騰した近年は、築古で天井の低い中古マンションをリノベーションするケースが増えています。
この場合は二重天井を選択せずに天井スラブにダクトレールを直付けして敢えてワイルドに仕上げるパターンが増えてきています。
5.ダクトレールの取付金具
知っておくとリノベーションの幅が広がるとダクトレールの取り付け金具について説明します。
1)レールへの給電方法(フィードインキャップ:給電キャップ)
ダクトレールには電線をつないだフィードインキャップから給電を行います。またダクトレールを延長した場合もジョイントを使用して給電可能です。
2)ダクトレールは曲げたり垂直にも延長可能(L字型ジョイント)
ダクトレールはL字型ジョイントを使用することで直角に曲げての延長が可能です(給電も可能)。また梁に沿ってダクトレールを引き回すことも可能です。
但しダクトレールの施工上の注意点としては、電極へホコリが溜まるのを避けるためレールを上向きに使用したり、照明がずり落ちたりホコリが溜まる可能性がある垂直面での取り付けはメーカーから禁止されています。
3)今ある照明をダクトレールに取り付け可能!ダクトレール用プラグは他社互換性あり
当家のライティングレールはオーデリック社製のものを使用していますが、実はこれ、他社互換性があります。
さらに嬉しいことに『引っ掛けシーリング』用のプラグも販売されています。
つまり、ダクトレール工事をしておけば、当家のようにLEDスポットライトだけでなく引っ掛けシーリングタイプの照明も使用できるってことです。
これで照明選択の自由度が格段にUpしますので覚えておいて下さい。
主なダクトレールの製作メーカーは次の通りです(社名をクリックすると各社の代表的なダクトレール製品にリンクします)。
ダクトレールメーカー:パナソニック電工、東芝ライテック、大光電機、コイズミ照明、オーデリック
6.ダクトレールを取り付ける二重天井の構成部材
ここで少しだけダクトレールが取り付けられる側である天井廻りの用語を簡単に説明させて頂きます。「さてさて、どこにダクトレールを取りつけようかなー♪」となっちゃいますね。
【用語解説】クリーム色の天井は発泡ウレタンを吹き付けてあります。断熱材の役割をしています。そこから垂直に真下に下がっているのが「吊木(つりぎ)」です。造作のある部分を上方から吊り支える部材の総称です。
「吊木」が取り付けてあるのが「野縁受(のぶちうけ)」これに「野縁」、もしくは若干太めの「ダブル野縁」をいくつも取り付けて最後に下地ボードを貼りつけて二重天井の完成となります。
アルミ金物を事前にライティングレール(ダクトレール)が入る場所だけカットしておき、この後、二重天井の下地がこのライティングレール(ダクトレール)下端と同じ位置で貼ります。勿論、若干の天井クロスの厚みも考慮します。こうすることで、天井の仕上がりが完全にフラットとなりスッキリ感が高まります。
7.ライティングレール(ダクトレール)の導入理由
さてリノベーションで手に入れた当家の地下室と4階の照明はライティングレール(ダクトレール)だけで構成されております。理由は端的に述べればリノベーション後半にお金が底を尽いたので、照明にお金が掛からないようにダクトレールを選択したというものです。少しだけダクトレールを採用した理由を説明します。
(理由1)ダクトレールは部屋分割時に照明場所を簡単に変更可能
ライティングダクトレールの場合、線上だけの移動に限定されるものの、照明位置を自由に変更することが出来ます。当家は将来、子供部屋を2つに分割する予定ですが、照明の自由度を高めるためにダクトレールを選択しました。
子供部屋を2つに分割するためにダクトレールを採用した記事
⇒(164)子供部屋を2部屋に間仕切るための対応
(理由2)ダクトレールは施工費用が安い
リフォームやリノベーションの見積を取得するとライト一つからその施工費用まで1項目毎に細かく金額が加算されることが分かります。当家の2階LDKはオシャレにするため照明はダウンライトを多用したのですが、照明の設置箇所数が増えると結構な工事金額となります。
一方、ダクトレールを使う場合、ダウンライトと比較すると施工箇所が減るため格段に安くなります。実際、当家4階子供部屋の照明工事費用はダクトレール2本だけの施工費用で済みました。
(理由3)照明トータルの初期コストを抑えることが出来る
ライティングダクトレールさえあれば、照明(ライト)はいつでも増設・移動可能です。
当家ではリノベーション後半で総費用が膨らんできましたので、東京ガスリモデリングの方に協力して頂いて、ライト・照明類は事前に仕様が決まっているものは施主支給とさせて頂きました。
今回の説明箇所のように、LEDスポットライトはいつでも増設できますので、入居当時は節約のため5個しか付けていませんでした(笑)。
現在では4階だけで11個のLEDスポットライトを利用しています。
リノベーション時にはLEDスポットライト代として6個x@5,000円=30,000円のコスト削減が出来たことになります。尚、照明はオーデリックというメーカーの製品を使用しています。
8.LEDスポットライトの取付方法と首振り角度
ダクトレールと言えばやっぱりスポットライトがカッコ良いですよね。当家ではLEDスポットライト照明を採用しています。LEDスポットライトをダクトレールに取り付けるのは簡単です。
LEDスポットライトをダクトレールの溝に入れて90度回すだけ。
LEDスポットライトの首は水平方向に360度、垂直方向も90度の首振り角度がありますので好きな方向に向けることが出来ます。こちらも上述の照明メーカー各社から様々な製品が販売されていますので、ダクトレールとセットで探されると良いと思います。
9.ダクトレールの導入事例(ホームプロHPより)
1)ニューヨークカフェ風のお家
ホームプロを活用されてリフォームされた事例です。
場所は大阪、築11~15年のマンションをニューヨークのカフェを思わせる雰囲気のお家にリフォーム。リビングと和室の間にあった間仕切壁を撤去してスペースを広くとり友人も招くことが出来る間取りにされたとのこと。
(そりゃ、こんなにカッコよくなればお客さんをお連れしたいですね!)
費用・工期・施主コメントなどリフォーム詳細はホームプロ公式HPでご確認下さい。
2)マンション、築年数30年以上、工期(全体)2ヵ月。
場所は京都府京都市伏見区でのダクトレールを採用したリフォーム事例です。費用は全体で400万円。施主の要望は「間仕切りを取ってLDKを広くしたい、インダストリアルな雰囲気にしたい」というもの。施工会社は株式会社ハウスドゥです。
3)店舗、築年数30年以上、工期1日、費用9万円
東京都杉並区の店舗・事務所へのライティングレールの取付事例です。ライティングレール、エンドキャップ、照明も全てTOSHIBA製となっています。施工は株式会社阿部産業(リフォパック)です。
LDKやダイニングの照明をライティングレール(ダクトレール)にして、ペンダントライトを吊り下げてみたいと思われる方も多いかと思います。しかし、数万円の工事を請け負ってくれる会社を探すのって、何から手を付けて良いか分からないものです。
そこで役に立つのがリフォーム会社紹介サイト。上の紹介例のように施工例と口コミを数多く掲載しているホームページは候補会社5~6社をリストアップする初期調査時点において、大変役に立ちます。詳細は次の項で説明しますね。ブログ著者 RC4tani
10.照明をダクトレールへリフォームしてくれる施工会社の探し方
当家では部屋をスッキリさせたいので「ダクトレール+LEDスポットライト」にこだわりました。
しかしダイニングではダクトレールに、例えばカラフルなペンダントライトを組みあわせてみるのもお洒落でいいですよね。将来、住宅のリフォームを行う際は、私もペンダントライトを採用してみたいと考えています。
そこでネットで調べてみたのですが、実は照明リフォームの費用はそれほど高額ではない上、施工業者も簡単に見つけることが出来ました。匿名で簡単に探せますので紹介しておきますね。
NTT東日本、NTT西日本、リクルート、大阪ガスの4社が出資する8年連続利用者数No.1のリフォーム会社の紹介サイト「ホームプロ」のホームページでダクトレールの施工事例検索が簡単に行えます。
①リフォーム事例を選択
②詳細条件にある『キーワード』に「ダクトレール(もしくはライティングレール)」と入力するとダクトレールを採用したリフォーム事例(施工条件、金額、口コミ)が閲覧できます(→私のブログより価値があります 笑)
私、RC4taniが自信を持っておススメ出来るダクトレール・リフォーム事例の探し方です。是非、お試しください。
せっかく家を建てる、リフォームするなら、お客様にも「オシャレですね」と言われたいですね。
シーリングライトではなく『ダクトレール&スポットライト』か『ダクトレール&ペンダントライト』でオシャレな部屋に仕上げて、気分良く過ごしてみませんか?
⇒「ホームプロ」公式ホームページ
11.リノベーションのプロは照明に「こだわる」
私は1973年生まれの昭和の人間ですが「照明=電球・蛍光灯」は親世代。
その子供の私世代(40歳代)は「照明=シーリングライトがカッコいい」でした。世の中、進歩しており現在は「照明=ダウンライト、ダクトレールライト」が主流です。
私が住んでいたイギリスではリフォーム文化が根付いて皆さん、内装にお金を掛けていました。イギリスのお家の照明は殆どが「シャンデリア」か「ダウンライト」でしたので、素敵なお家ばかりでした。
リノベーションのプロは「照明にこだわる」、これリノベーション会社の常識だそうです。
本日は『(104)ダクトレール照明を取り付けました!仕組みと埋め込み工事費用と単価』と題して、ライティングレール(ダクトレール)について説明させて頂きました。
当ブログ内のダクトレール照明関連の記事です。
(124)LDKの照明位置を決めきれない!そんなときはダクトレールで解決しよう
(239)ニトリ(店舗)のダクトレールの使い方が参考になった!
(159)照明計画/LEDダウンライトとLEDスポットライトのみの2階LDK
(明日に続きます。次のページ『(105)4階ふわふわフローリング工事』へ)
リノベーションブログ著者からのご挨拶/狭小中古ビルを『2割』値引きで購入後、住宅にコンバージョン(リノベーション)して住んでいます