目次
~これまで の あらすじ~
都心で4LDKを探したところ、新築マンションは高過ぎて断念。偶然みつけた地下室付4階建中古事務所ビル(延べ床面積約170m2)の購入を決断。(今、 振り返っても普通ではない判断です)。売主から頂いたローン締結までの猶予期間は10月末から12月までの6週間。自らリフォーム会社7社にコンタクトし て、行動開始から約2週間弱の成果として5社よりリノベーション提案を受けられることになりました。5社目の東急ホームズから見積書が出てくるところです。
【見積取得状況管理表】
今回の話
No | 会社名 | 担当者 | RC4taniからの 初回アプローチ |
同返信 (From リノベーション会社) |
現地調査 | 要望確認日 | 要望確認日第二回 | 提案・見積提出日 |
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1 | 野村不動産パートナーズ | 一級建築士 | 10月26日(土)Web | 10月27日(日) | 11月1日(金) | 10月28日(月) | 11月19日(火)20時 | |
2 | パナソニックリフォーム | 営業+社外設計事務所 | 10月28日(月)Web | 10月31日(木) | 11月7日(木) | 11月9日(土) | 11月17日(日) | 11月30日(土)13時 |
3 | 東京ガスリモデリング | 二級建築士男女ペア | 10月28日(月)Web | 10月29日(火) | 11月7日(木) | 11月8日(金) | 11月26日(火) | 12月1日(日)10時 |
4 | 三井不動産リフォーム | 10月28日(月)Web | ||||||
5 | 東急ホームズ | 二級建築士 | 11月10日(日)Web | 11月11日(月) | 11月12日(火) | 11月20日(水) | 12月1日(日)16時 | |
6 | スタイル工房 | 一級宇建築士 | 11月10日(日)Web | 11月11日(月) | 11月12日(火) | 11月16日(土) | 11月30日(土)16時 | |
7 | 大和ハウスリフォーム | 11月11日(月)TEL |
1.東急ホームズ
12月1日(日)午後、いよいよ5社目の提案となる東急ホームズからの提案受けです。
昨日土曜日、本日の日曜日の丸2日を使ってリノベーション会社計4社よりリノベーションの提案を受けるのもこの「東急ホームズ」で最後です。非常に重要な打ち合わせなので、この二日間、子供は妻のご両親に面倒をみてもらいっぱなしとなっています。申し訳ない気持ちで一杯です。よってなんとしてもこの中古事務所ビルを居宅に用途変更して住む計画を実現せねばなりません。
冬なので日没が早く、約束した夕刻に「東急ホームズ」の事務所に到着したときは既に辺りは真っ暗となっていました。
事務所に到着すると我々のご担当の二級建築士(女性)の方に出迎えて頂けました。早速、ご担当者より提案の説明を受けます。
2.東急ホームズのリノベーション提案内容
手書きの黒線をベースに水彩画で上手に各階のレイアウトが成されています。しかも、Plan1とPlan2と2案が提示されています。絵が非常に上手で好印象です。
「ん?」我々に2案提示して頂いて提案して頂けるのは評価したいポイントなのですが、Plan2は「地下に水回りを集めたプラン」となっています。
3.地下に水回りがあるプラン
物件に地下室があると分かった段階で、私はネットで地下室について情報収集を行いました。地下室は湿気が懸念される場所であることから、できる限り水回りの設置は避けたいと考えていました。現時点では地下には水回りはありませんので、排水装置はありません。新築ではなくリノベーションなので、風呂やトイレを地下に新設すると、ポンプを使って地上高さまで水をくみ上げる必要が出てきます。機械の維持管理のリスクを考慮すると、とても採用出来る案ではありません(注:ドライエリアが設けられているような地下で排水も容易に出来る地下室であれば話は別です。妻の実家も地下に水回りがありますが、傾斜地なので地下からそのまま排水することが出来ます)。
ご担当者の意図は良く分かります。水回りを地下に持ってくれば、1階に1部屋を設けることが可能となり、居住性が高くなると考えらえているのです。
顧客の要望
しかし、私は次の通り考えていることを既に東急ホームズにもお伝えしております。
【私の考え】
- 1階は窓が1か所しかないので人が常時生活するような部屋は作りたくない(実は地下も窓がないという点では同じ条件ではあります)。
- 浴槽そばに洗濯機を設置するが、洗濯物は4階で室内干しする予定。地下に水回りを設置すると導線が大変になる(そんなの同じだよと笑われる覚悟で書きますが、1階→4階と地下→4階では、精神的な負担が全く異なります)
- 1階に玄関、水回り(風呂・トイレ・洗濯機・洗面所)、収納をゆったり配置し、地下は用途未定の空間としてKeepしておきたい(この時点ではこのように考えていました)。
しかし、私の意図を全く無視した提案がPlan2なのです。
4.ユーティリティースペースと生活スタイル
一方、Plan1がどうだったかというと、なぜか3階に洗濯物を畳んだりアイロン掛けのための「ユーティリティースペース」なるものが提案されています(実はこれ、スタイル工房でも提案されていました)。「いやいや、そんなスペース、全く期待していません」というのが我々家族の率直な感想です。
共働きなので洗濯物を畳んだりするのは、夫婦でTVをみながら居間で会話しながら行っています。「くつろぎつつ家事をする」スタイルです。「ユーティリティールームにこもって洗濯物の処理に集中する」という発想は全く持ち合わせておりません。
この提案を高く評価される方も当然いらっしゃると思いますし、そのような方の方が多いのかもしれません。しかし、Planを2つ提示されるのであれば、Plan1は顧客の要望通りに作成して、Plan2以降で変化・提案されるのが良い方法ではないでしょうか?
Plan1、Plan2 共に顧客の要望に応えられておらず、事前の打ち合わせで伝えた内容が無視されたとは言いませんが、軽視され過ぎと感じました。
5.リフォーム・リノベーション会社の「営業スタイル」の重要性
更に東急ホームズではこれまでの4社と違った展開が出てきました。簡潔に述べると、突然、営業課長なる上司が登場し「当社とすぐに契約して頂ければ、お値引させて頂きます」とアピールが始まったのです。
東急ホームズの価格は東京ガスリモデリングと同じ水準でした。しかし見積書の細かさが東京ガスリモデリングと比較すると明らかに劣っています(大雑把です)。
この状態で「値引き出来る」と言われても内容が詰まっていないのですから、前提があやふやな状態で値引きなど入れても、結局、後であれこれと言われて値上げされるのがオチです。私の仕事上の経験が「こんな話に乗ってはダメだ」とサイレンを鳴らしています。
6.建築士のプライド・提案を社内で評価できていない営業上役
東急ホームズに到達する前に野村不動産パートナーズ、パナソニックリフォーム、東京ガスリモデリング、スタイル工房と4社から見積提案を受けています。
野村不動産パートナーズのやっつけ仕事は論外としても、その他3社はここまでレベルの低い営業はありませんでした。各建築士の方が相応にプライドを持って顧客の方へ提案されていました。スタイル工房の提案など顧客の予算を完全に無視して「これでどうだ!」という提案なのですが、まだそのようなスタイルの方が好感を持てます。
金額が1,000万円を超える提案です。各社「今、直ぐ契約して頂ければお値引きします」などという言葉は全くありませんでした。東急ホームズのご担当者(二級建築士)の方も私と同じ気持ちだったと思います。
ご担当者の方には申し訳ないですが、この営業の方々(しかも二人)によって東急ホームズは「会社として信用できない」と感じた次第です。
表面的には「2案も頂きありがとうございます、是非、今夜、検討させて頂きます」と満面の笑みでお伝えして東急ホームズのビルより出てきましたが、残念ながらこの会社にリノベーションをお任せするわけにはいきません。
7.結論
これで、7社に引き合いを出してから見積提案を受けるまでちょうど1か月。成果が出そろいました。次回以降で、各社の評価について簡単に振り返って、私の下した結論をお伝えしたいと思います。(続く。次ページ『(47)リノベーション提案、総合評価第1位は東京ガスリモデリング(リノベーション会社5社の評価表付き)』へ)