「中古ビル」を購入してリノベーションして住んでいるRC4tani(@rc4tani)です。
当家は中古物件(RC造)を購入後に雨漏りが見つかりました。
売主とは瑕疵担保責任に該当するということで、示談で金銭解決としました。金額は30万円です。リノベーション工事中にしっかりと陸屋根、傾斜屋根共に防水工事を行ったにも関わらず、雨漏りは止まらず、原因箇所の特定までに住み始めてから半年も掛かりました。
本日はリノベーションするために購入した中古物件の雨漏り体験(原因と結果)を書きます。
目次
1.雨漏り箇所の特定
先に結論を述べておきます。
雨漏り箇所の原因は屋上の手すりの中が中空(空洞)になっているのですが、その中に雨が溜まり、ウレタン防水層の中に雨水が浸入し、屋上コンクリートから建物の最上階である4階に水が伝わっていました。この雨漏りルートの特定に半年掛かりました。
実は、リノベーション時に陸屋根の屋上は徹底的にウレタンゴム系の防水処理をしました(なので灰色のウレタン樹脂が光っていると思います)。防水工事の保証期間は5年間です。それだけ、施工業者もウレタン防水による雨漏り防止効果に自信を持っています。
それでも雨漏りが継続し、且つ、水が浸入する場所がなかなか見つからずリノベーション完成後、住み始めて半年してようやく原因特定に至りました。
2.中古物件購入後に雨漏り発見!金銭解決へ。
中古物件を購入したのが2014年1月でした。前オーナー様から物件の引き渡しを受けて、本格的にリノベーションに向けた仕様の打ち合わせを行っている最中に、リノベーション会社(東京ガスリモデリング)から意外なことを言われました。
購入した中古物件(中古ビル)はRC造の地上4階、地下1階の築15年の狭小ビルなのですが、東京ガスリモデリングの担当者曰く『4階の天井のクロスが「ふやふや」になった場所があったのでクロスを剥いだところ、どうやら雨漏りがあるようだ』とのこと。確かにクロスが剥がされた場所を指で触るとわかるくらい濡れています。
中古物件でも不動産契約をする際、瑕疵担保責任条項を付けることが出来ます。不動産の瑕疵担保には雨漏りが含まれます。
当家の場合は物件の引き渡しから3か月間、売主に瑕疵担保責任があると明記しておきました。
運よく保証期間内に雨漏りが見つかったわけですが、雨漏りのことを前オーナー様に伝えてみましたが、前オーナー様も雨漏りがあったことは知らなかったとのこと。
前オーナーも嘘を言うような方ではない上、物件購入時に2,200万円も値引きしてもらった恩義がありますので、一応、形だけ金銭での示談ということにして売主(前オーナー)が買主(私)に30万円支払うことで解決としました。
この後、しばらく悩むことになったのですが、この判断は正しかったと今でも思っています。
雨漏りは、東京ガスリモデリングからも「外壁タイル補修や屋根の防水工事を徹底的に行うので大丈夫でしょう」ということでリノベーション工事に入りました。
3.リノベーション工事前の陸屋根、傾斜屋根、防水状態
中古事務所ビルの屋上と聞くと、皆さんは簡単に登れるとお考えかもいしれません。しかし購入した物件は狭小ビルでしたので、屋上には4階の階段室から垂直梯子を使って上がる構造となっていました。
そういうわけで、実は物件購入前は自分で屋根に上ったことがありませんでした。これは反省点。
ただ、汚れている屋上を素人が見ると逆に物件購入の意欲が失せるだけなので、プロの方と一緒に見学して、専門的なコメントを貰われた方が良いと思います。
それでは、屋根の防水工事について順を追って説明したいと思います。
4.傾斜屋根の止水工事(RC造建物)
東京ガスリモデリングの担当者からは、ガルバニウム鋼板葺きの傾斜屋根は、表面に苔が生えている状態であり、将来的なことを考えると雨漏りが怖いので、是非とも物件購入のこのタイミングで「傾斜屋根の葺き替え」「屋上の防水処理」「外壁タイルの補修」の3点セットを足場のある時に1度に行うように強く勧められました。
防水工事や外壁タイル補修は、住宅知識のない素人にとってメンテナンスを実施する・しないの判断はできません。最後は調査をした担当者(業者)を信頼できるか出来ないかに掛かっていると思います。私の場合は7社の引き合いから、人間的に信用できると感じた東京ガスリモデリングの男女コンビに全幅の信頼を寄せていましたので、疑うことなく外壁と屋根の防水・止水工事をお願いしました。
5.傾斜屋根の葺き替え
当家は地上4階、地下1階のRC造狭小ビルです、屋根は陸屋根(平らな屋根)ですが、斜線規制に対応するため、一部に傾斜屋根があります。
傾斜部の屋根はコンクリートではなく、「野地板」と言われる屋根材を取り付ける下地の板に、「アスファルトルーフィング」という、屋根防水に使われるアスファルトを含浸させた有機質繊維などを原料とするフェルトに、アスファルトを浸透・被覆したシート状の製品を貼ります(上の写真)。
アスファルトルーフィングの上にガルバニウム鋼板を横葺きすると屋根らしくなります。
私は屋根の葺き替えのリノベーション工事を実際に見たわけではありませんが、東京ガスリモデリング担当者は、築15年の中古ビルの将来を案じて、しっかりとした工事を手配して下さっていました。本当に感謝です。(写真は東京ガスリモデリングからリノベーション引き渡し後に受領したDVDに収められていたものです)
屋根の端部は「役物」と呼ばれる部材で納まりを確保します。ここがしっかり施工されていないと、雨が簡単に侵入してしまいますので、大変重要なポイントです。
6.陸屋根のウレタン防水
当家の屋上は陸屋根ですが、写真のようにエアコン室外機置場のコンクリートがあったり、出入り口の突起などがあります。
これらを丸っと覆うように「ウレタン防水処理」を行います。
上の写真は私が中古物件を購入した時点での物件屋上です。
築15年が経過していましたので、室外機のケーブル類は養生テープだけでなく、ケーブルそのものに劣化が進んでいました。
またウレタン防水も見た目は分かりませんが、水が貫通していてもおかしくないほど紫外線による劣化がありました。この写真をみてしまうと、入隅など水が貯まりやすい場所は雨漏りの原因になる可能性があると素人でも思います。
写真は入隅部のウレタン防水施工後の写真です。入隅部はあらかじめコーキングされたような跡が見えます。施工後の状態を指で押すと結構、樹脂が凹みます。つまりウレタン樹脂は相当な厚みがあるということです。
決して傷つけてはいけません。
7.陸屋根の雨漏りの原因箇所
説明してきたように、素人目にもウレタン防水処理は完璧に見えます。しかし、
雨漏りは継続して困ったなという状態となってしまいました。
リノベーション後の綺麗なクロスの一部が「ふにゃふにゃ」になっているのを見ると、残念な気持ちが沸き上がってきました。
最終的には東京ガスリモデリング男性担当者が、屋上でドリルで手すりの下端に小さな穴を開けると、勢いよく水が噴き出てきましたので、中空になった手すりの内部に水が貯まり、手すりがウレタン防水層の中に突き刺してあるため、ここから雨水が浸入したのではという話になりました。
結局、手すりの継ぎ目などを徹底的にコーキングしたところ、雨漏りは発生しなくなりました。
しばらくして4階の雨漏り箇所が濡れることが無くなりました。
8.終わりに
本日は『(234)リノベーション物件購入後に雨漏り発覚!』と題して書かせて頂きました。皆さんも雨漏りにはぜひ、ご注意下さい。
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